基礎講義 地域課題とビジネスチャンス④ | |
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日時 | :平成28年10月14日(金)15:00〜18:00 |
会場 | :富山大学二上キャンパス2階大会議室 |
たかおか共創ビジネス研究所の8日目が開講。日本国内トップのマーケティングリサーチ会社である株式会社インテージ執行役員の高山佳子氏からマーケティング・リサーチについて学び,マーケットを知ることの重要性やリサーチ方法など今後のビジネスチャンス拡大や事業構想に役立つ情報を共有化した。
特別講義 | |
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地域課題とビジネスチャンス④ マーケティングリサーチの入り口 |
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講師 | :株式会社インテージ 執行役員 ビジネスプラットフォーム本部長 高山佳子氏 |
マーケティング・リサーチの役割について生活者・消費者・顧客を知る,声を聞くためのツールであると話し,消費者のニーズをより的確に,より効率的に満たしたい企業と消費者・生活者を結ぶ架け橋で「マーケティング・リサーチャー」は企業へ声を届ける消費者・生活者の代弁者でもあると説明。
マーケティング・リサーチは,マーケティング活動の意思決定をするために行うもので,実態を把握し,その理由を評価して打ち手を検討し適切なアクションをとるために行うことを示し,なぜ意思決定のためにリサーチが必要かを判りやすい事例をあげて説明した。
現在行われている主なリサーチ法について紹介し,各調査の性質や目的,調査手法の違いについて,調査実行の具体的なテクニックやポイントなどを説明。リサーチ手法には,特定目的の単発調査する「アドホック調査」と調査対象を固定して継続して行う調査である「パネル調査」があり,「アドホック調査」には調査結果が数値で表される「定量調査」と言葉等で表される「定性調査」に分けられるとし,各調査法について事例を挙げながら解説。
「定性調査」の手法である1対1の対面インタビュー形式の「デプスインタビュー」座談会形式でインタビューを行う「グループインタビュー」について,「定量調査」の手法としてアンケート式調査を訪問・郵送・電話・インターネット・会場に集まってもらうCLTなど各調査法について紹介し,メリットやデメリットについて説明。「定量調査」を行うコツとして,代表性や再現性,意識と事実がポイントとなり,事前準備として仮説を考えることが大切で,仮説を明確にすることがリサーチ成功のポイントと話した。またどのような結果になれば成功とするかの判断基準を決めること,誰に何を通じてどう働きかけるべきかの分析の切り口を決めることが事前準備として大事であることを説明。
調査が役立つポイントには「強み」を知ること,「価値」を知ること,「生活者ニーズ」を知ること,「価値観」を知ることを挙げ,リサーチの事例などを交え判りやすく解説した。さらに,定量調査の実践へ向けてのポイントや注意事項などを紹介。調査設計をする際には,マーケティング課題を設定し,仮説を整理したら,①どうやって(調査手法),②誰に(対象者の条件),③何を(調査項目・調査票)の3つをセットで検討することを常に心がけることがポイントと話し,対象者条件は具体的に設定すること,サンプル数は多いほどよいこと,仮説を検証するための調査項目を考えることなどについて説明。
調査票作りについて質問量や質問順などセオリーやポイントを説明し,回答者の身になった答えやすい構成が調査精度につながると話した。
座談会/ディスカッション |
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テーマ : 企業・地域を変えるには 講義の感想 講師への質問 |
本日の講義についての質疑応答と講師・研究員間でのディスカッションがおこなわれた。マーケティングリサーチの依頼経緯やターゲットについて,アンケート作成についてやリサーチの精度など講義内容についての質問やマーケティングと人工知能(AI)の進化についてなどマーケティングリサーチ業界の変化についてなど議論が交わされた。
マーケティングリサーチについて高山氏は,「店舗で顧客に尋ねたり,取引先から聞いたりすることが簡単なリサーチ方法であり誰でもすぐにできる」と話し,マーケットやターゲットの動きや欲求を知ることで企業や地域の課題解決につながり,ビジネスチャンスも拡がることを改めて理解し認識を深めた。