日時 | :平成28年12月26日(月)14:00〜17:00 |
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会場 | :高岡市役所8階802会議室 |
たかおか共創ビジネス研究所第3期修了式は,高橋正樹高岡市長,遠藤俊郎富山大学学長,高岡市関係者,富山大学関係者,協力金融機関(北陸銀行,富山銀行,富山第一銀行,高岡信用金庫)と後援機関(経済産業省中部経済産業局電力・ガス事業北陸支局,高岡商工会議所,富山県中小企業基盤整備機構北陸支部,公益法人新世紀産業機構,財務省北陸財務局)の関係者,オブザーバー、報道関係者など約50名が参加し,研究生8人による最終プレゼンテーションとポスターセッション,修了証の授与式と座談会がおこなわれ約6ヶ月に渡り開催されたたかおか共創ビジネス研究所の全カリキュラムが終了した。
修了式開会にあたり主催者を代表して,たかおか共創ビジネス研究所所長の高橋正樹高岡市長と遠藤俊郎富山大学学長が挨拶。高橋市長は,研究生の6ヶ月間の労をねぎらい「この研究所を通して知識を身に付けるだけでなく,それぞれの思いを実現するための道筋を皆で共創することを目指している。
修了式を迎えた皆さんの今後のプロセスはPDCAを回すことであり,今日がそのスタートである。
実践面の取り組みに入っていくことになるが,行政も大学もしっかり応援していきたい」と挨拶。遠藤学長は「大学も今改革に取り組んでいる。伝統を守りながら形を変えていく改革もあれば根本から本気で変えてしまう革命まであるが,どの程度で進めて,どこを目指すかが大切である。第4次産業革命といわれる新しい時代も目の前に迫っている。
研究生の皆さんが新しい年へ向かって大きな活躍をされることを願っている」と挨拶。
〜事業概要と修了までの経緯〜 |
高岡市経営企画部都市経営課 日名田尚明氏 |
たかおか共創ビジネス研究所設立から第2期修了までの経緯と第3期研究所開講から修了までの講義・演習内容の概要などの取り組みを説明。高岡市と富山大学の包括連携協定締結から早い段階からのプロジェクトへの綿密な打合せ協議を行ったことなどプロジェクト立案の経緯を紹介した。
富山大学の金岡教授から,国立大学改革プランに記された目指すべき国立大学の在り方に「地域活性化の中核拠点」として大学は地域ニーズに応じた人材育成拠点の形成と地域社会のシンクタンクとして様々な課題を解決地域活性化機関として機能強化の方向性が示されているとし,その実現の中に高岡共創ビジネス研究所があり,動きの根本はCSVである。
共助(共創),ソーシャルビジネス,地域イノベーションをどう起こすのかが狙いであると説明。高岡市の日名田氏から行政側としての人口減少対策・地方創生,共創のまちづくりの取り組みについて説明。地域金融機関,地域大学,地域企業,地方自治体それぞれの立場から見たたかおか共創研究所の必要性,研究生が得られる成果を示しながら研究所の第1期,第2期の取り組みや成果を紹介。新幹線開業後という環境変化の中での第3期開講となった趣旨や必要性について説明し,開講式から修了式に至までの講義内容や演習内容について紹介した。
〜研究生によるプレゼンテーション〜 |
8名の研究生が構想した7つの事業プロジェクトについて1人4分間の時間内で事業内容の要点,概要などを発表,ポスターセッションへ続くプレゼンテーションが行われた。
〜4つの戦略「知・創・継・伝」を通して〜文化創造菓子 | : 株式会社中尾清月堂 | : 中尾真夢氏 |
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たかおか朝市 | : Web salon ISD office | : 松本光司氏 |
高岡問屋センター再活性化に向かって | : 有限会社沖商店 | : 沖昌幸氏 |
寺・カフェ・公民館を使った地域包括ケアシステムの再広報の必要性 | : 社会福祉士・精神保健福祉士・ 介護福祉士 |
: 前多秀治氏 |
山町筋で地域価値の掘り起こしへ 複合商業施設「山町ヴァレー」 | : 有限会社酢谷不動産 : 塩崎商衡株式会社 |
: 清水悟氏 : 塩崎吉康氏 |
タカオカ・サイネージ本格始動!デジタル・サイネージを通じて新たな産学官連携の枠組みを作る | : 株式会社ミヤワキ建設 | : 宮脇友基氏 |
頑張るコミュニティ!FOURTH PLACE(第4の場所) | : 株式会社文苑堂書店 | : 吉岡幸治氏 |
本研究所で各研究生が学び考え構想した事業プロジェクト内容をまとめ作り上げた最終形となるポスターの前に立ち,参加者へ向け説明や質疑応答するポスターセッションがおこなわれた。8名の研究生は,先のプレゼンテーションで説明しきれなかった事業計画内容の詳細を説明したり聴取者からの質問や疑問に個別に答え,各事業プランに対しての反応や手応えを感じていた。
たかおか共創ビジネス研究所所長の高橋正樹高岡市長から研究生8名ひとりひとりに修了証が読み上げられ授与された。
テーマ |
「明日の高岡を形成する企業の力」 |
パネリスト | |
髙橋樹氏 | (高岡市長) |
遠藤俊郎氏 | (富山大学長) |
鈴木基史氏 | (富山大学理事) |
研究生 | |
コーディネーター | |
金岡省吾氏 | (富山大学) |
「CSVは商売本来の考え方だと思う。改めてCSVの考えで地域に理想像をを表すという大きな学びを得た。BtoCだけでなくBtoBの可能性や,今回の発表以外にもまだまだ地域に貢献できることありそうだ」
「学ばせてもらったことを地域に還元していきたいと強く思った。地域の中小の工務店,企業の力が大切であるということをこのプロジェクトで強く感じた」
「これだけ長い時間を多種多様の経営者と学ぶことができたのは良かった。CSVを今後の会社としても利用していきたい。地域を支える土台となる業種でもありより活性化いきたい」
「大変勉強になった。本業の部分でなく地域で関わってきた部分であるテーマで発表させていただいた。事業としても動き始めているので応援してもらいたい」
「自分は経営者ではなかったが,みなさんの話が勉強になった。CSRの方へ目線が行きがちだったがCSVをもっと勉強しノウハウを活用していきたい」
「勉強させていただいたことが,自分の会社や従業員,家族のことについて向き合う良い機会となった。時代が変わっても伝統を引き継ぎ変化に対応して転身していかなければと思った。この先,自分なりの結論を持って臨んでいきたい」
「高岡にしかないものに気がつき,今回の学びでさらに高岡が大好きになった。自分の足元に広がってることから自分の影響力が及ぶとこからしっかり形を作り上げていきたい。商人の町高岡として今後を考えていきたい」
「答えがなかなか出てこなくて悩んだが,悩む時間は貴重な経験だった。未来を考えることができ,しっかり実行していきたい」
「地域をどうしたら良いのか,郷土を思う熱い思いが伝わってきた。地域資源の発見,「気付き・磨き・継なぐ」ことが実践されていた。変革・創造を行われる場をつくること,発信の重要性などが示されていた。これから期待することは,ステップアップする段階のステージをつくることを表現していくこと,発展の仕方を明確にしていくことを望む。それぞれのプロジェクトを動かして地域資源を有効活用してステージを変えていくことに結び付けていってほしい。行政も応援していく」
「自分の仕事をちゃんとやりながら,マネージメントもしているのは素晴らしい。全体を見て物事を進めていることを頑張ってほしい。みなさんのプロジェクトは,人を大事にし人を集め,人集まるところに何かあるイメージを描いている。さらに工夫を凝らして実現してほしい」
「みなさんの中で地元を愛しているのが伝わった。コミュニティニの創造や利用,自分の作ったモノの理解を深めようという発想の提案だった。一回の活性化ではなく継続的な効果を考えたものであったのは良かった。課題解決の提言であり,これからも話し合えるようにしてもらいたい。行政とともに考える機会があることもこの場の面白さであったと思う」
「素晴らしいアイディアで,一つ一つを考えていくと今後,裾野が広がる事業内容であると感じた」
「人口減少が進む中で何もしなければ衰退する。産官学で知恵を絞った取り組みに金融機関として協力していきたい」
「ビジネスプランを伺う中でマーケティングや資金繰りなどの個別のことではなくビジネスプラン自体をどうするかから協力・お手伝いしていきたい」
「地域創生には地域内のお金は地域で循環させることと,地域外からお金を集めることが必要と考えている。みなさんの思いをサポートしていきたい」
「それぞれの立場で思いが詰まった素晴らしいプレゼンテーションだった。地域創生・地域活性化は金融機関にとっても重要なファクター。共通の認識で共に頑張ってサポートしていきたい」
「みなさんのプレゼンで場づくりの提案が多かった。みんなで力を合わせて乗り切るという世相を反映した方向性であると感じた。楽しい高岡を皆さんと創っていきたい」
「将来地方創生に関わりたくこの場に参加させていただいている。地域に住みたいと思わせる取り組み,CSVにより地域に資金がはいる取り組み,コミュニティをつくる取り組みは勉強になった」
「今回は女性の参加者がなかったのは残念だったが,みなさんの事業計画のなかで女性の意見はどれくらい取り入れたのか?」
「これからもぜひ続けていきたいと私は思っている。東京一極集中でなく,地方がそれぞれの纏りをもって地方定住を考えていくことを日本全体で考えていかなければならない。一番大切なのは人づくり,子育てや教育もあるが,地域資源を有効に活用世界へ羽ばたく人をつくることも人づくりである。これから地域に住む人,住むことを目指す人を作っていかなければならない。本研究所では地域でビジネスを目指す人を中心にするプログラムである。高岡ではビジネスではない人づくりのプログラムとして熱中寺子屋プログラム,熱中小学校プログラムというのも動いている。高岡を中心とした広域都市圏をつくっているが,その中の大きなプログラムも人づくりである。本研究所で関連すれば,創業・起業者を育てることが必要で,人口が社会増になるベースも雇用にある。これから人づくりを積極的に進めるにあたり,この研究所が大きな役割を果たすよう期待したい」