日 時 | 2017 年 9 月 29 日 15:00 ~ 18:00 |
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会 場 | 富山大学 高岡キャンパス 大会議室 |
内 容 | 圏域の地域課題とビジネスチャンス ② 舟橋村生活環境課 課長 吉田 昭博 氏 高岡市建築住宅課 課長 日名田 尚明 氏 |
とやま呉西圏域共創ビジネス研究所 6日目が開講。舟橋村の取り組みや高岡市の人口の状況などの講義が行われた。
舟橋村の地方創生は子育てに特化したのか?
財政規模が小さく交付金に頼っている状態。
少子高齢化がまだきていない状態で出生率の向上に注力している。
人口増加は宅地分譲がきっかけだったのか?
高岡でも分譲開発で人口増加の可能性はあるか?
分譲の特徴として宅地が安いかどうかがポイントだった。
急激な人口増は年齢構成の偏りやまちづくりの点では課題もある。
高岡市では昭和60年から減少傾向だが、世帯数は30年間で2割以上増加し小規模・核家族化が進み、全国と同じで少子高齢化が進んでいる。団塊の世代が65歳以上となり介護などが必要な年齢に達しつつある。3世代道教の数が国・県と比べて上回ってはいるが決して高い数値とはいえない。新幹線開業の時期に転入が増える社会増になったが続くものではないと考えられる。転居の理由として「住宅の取得」が29%、「結婚のため」21%だった。
住宅戸数の推移として、平成25年の調査で、住宅総数が72,980戸、世帯数が61,810戸となりその差の11,170戸が空き家となっている。平成10年から空き家は約4,000戸増加した。空き家率は10.4%から14.7%と増加傾向になる。また、新規着工数は概ね900棟前後で推移している。
高岡市の人口減少の対策ポイントとして「若者の転入促進(特にUターン)」「若者の仕事・活躍の場づくり(特に女性)」このほか、良好な住まいの確保、子どもを産み、育てやすい環境整備、持続的な社会構築など、都市機能の総合力向上に向けた取り組みを進めている。
舟橋村 吉田 昭博 氏
平成の大合併により北陸唯一の村となった舟橋村ですが、日本でも一番小さな村で、保育園・学校などの施設まで1キロでアクセスできるコンパクトな村です。昭和55年の出生数が8人になったことから人口増加を目指して宅地の造成などを進めようとしたが、市街化調整区域だったためすぐに開発出来なかった。その後宅地造成を進めることで安価な宅地だったため人口が増えることができた。人口が増えるにつれインフラの整備など進めてきたが、核家族世帯が増加してきた。
現在では、隣接自治体の宅地が下落していったことから、近隣よりも安価な宅地というメリットがなくなり、転入が減少した。また、 大学進学・就職による10代~20代の転出が続いてる。新旧住民の連帯感づくりを企図し村民憲章を策定することになり、大学のノウハウ提供を受けるため本学と包括連携を結んだ。
まちづくりが行政主導でうまくいっているところが少なく、住民や民間が主導のまちづくりをするためには行政も研究することが必要と考え、プロジェクトチームを作り10年間で舟橋村が何をしなければいけないのか検討することとなった。
平成25年に子育て世代にアンケートを行い、子育て世代の流入を目指すためには共助部分の充実が出生率向上につながることがわかってきた。平成26年に国の地方創生の事業が発表され、事業実施に向けたプロポーザルすることになった。舟橋村の地方創生の基本は「子育て世代の転入促進」「出生数の向上」「民間のビジネスで」を目標とした。