日 時 | 2018 年 7 月 30 日 14:30 ~ 17:00 |
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会 場 | 高岡市ふれあい福祉センター |
とやま呉西圏域と富山大学の共同主催による一人ひとりが地域課題と企業の営利活動の共通項を探し出し、本業を活かしてできるプロジェクト育成を目的とした「とやま呉西圏域共創ビジネス研究所 第2期」がスタートした。開講式には受講研究生8人をはじめ、呉西地域各市関係者、協力金融機関各行と後援機関各団体関係者、修了生やマスコミ関係者などが参加した。
開講にあたり、主催者を代表して福田直之高岡市市長政策部長と遠藤俊郎富山大学長が挨拶した。
マイケル・ポーター氏から「共通価値創造」という言葉が出てきた。起業家が互いに価値を創造して地域に貢献していく発想だと思われる。
研修生の皆さんも起業家であり、自治体も起業家として自分たちが中心となって進めているマインド(感覚)が重要で、それらと連携できるものが当研究所である。
とやま呉西圏域共創ビジネス研究所、魚津三太郎塾、たなべ未来創造塾で今回も多くの事業化が提案されるよう期待している。
とやま呉西圏域共創ビジネス研究所開講にあたり、研究所開講までの背景や開講の目的を説明。
人口増加時代には、企業誘致・インフラなどを増やしていたが、人口が減少している中で生活サービスが崩壊してくることが想定される。イノベーションを起こすというと大きな話に聞こえるが、地域の課題をビジネスを使って解決する手法(ソーシャルビジネス)に注目が集まってきている。
困ったときは銀行に相談できるように金融面でアドバイスや支援をしていただける環境にある。産学金を巻き込んでプロジェクトを動かすようになってきている。
■ 地域連携(信頼の循環)が及ぼす効果
■ 富山大学が進める新たな地域づくりとは
■ 地域を取り巻く環境変化に順応
■ 高岡から呉西6市の取組経過
■ 呉西6市共創ビジネス研究所とは
■ 修了生から生まれたビジネスプラン
「チャレンジを全力で応援するまちへ」クラウドファンディング起案支援による地域活性化事業。
当研究所に入ったことで、CSVという概念と事例を知ることができた。また、大学、行政、研究生と人的ネットワークが広がり相談・仕事にもつながった。全国でも数少ない地方特化型のクラウドファンディングのアドバイザーとして多数の成功実績を今後も目指していきたい。
「地酒とまちづくり 酒x交流x観光xまち」 地方が活きる「人の愛着」。
いまだにCSVの概念が理解できていないかもしれないが、地域の課題と自社のできる強みを融合することを学ぶことができた。
お酒を飲む人・場所が減ってきている自社の課題を地域の資源(酒蔵)を活用し、旅行者と酒蔵をマッチングすることで小売店として地域の発展につなげていきたい。
テーマ | 人口減少社会での圏域の可能性 ~地域課題をビジネスに~ |
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パネリスト |
髙橋 正樹 氏(高岡市長) 遠藤 俊郎 氏(富山大学長) 鈴木 基史 氏(富山大学理事・副学長) 堀田 裕弘 氏(富山大学都市デザイン学部教授) 木田 拓也 氏(クロスオーバー・ワークス合同会社) 中山 士門 氏(なかやす酒販株式会社) 第2期研究生 |
コーディネーター | 金岡 省吾 教授(富山大学 地域連携戦略室長) |
金岡教授:1期生から研究所に入所したきっかけや感想を紹介していただきたい。
この研究所は答えを教えてもらえない講義が多く、自分たちで考える事が多かったが、自分たちが今まで仕事でやってきた事と、地域で課題となっている事を真剣に考えることができ、多くの事例を知ることができた。まだまだ、修了式の発表内容を実績として発表するところまでは進んでいないが小売店が街のために何ができるか常に考えることができるようになった。
いろんなインプットがあったが、コアな部分は自分で考える貴重な時間だった。今まで自分の事業を客観的に考えたりする機会が少なく、改めて新しい視点で自分のやっている事業や、地域の課題などを考える良い機会になった。
金岡教授:研究生から修了生に質問など。
クラウドファンディングが新しい資金調達の方法として今後どのようになってゆくのか?
金融機関に代わることは考えにくい、事業資金をすべて調達するような銀行に代わるものではないが、市民に広報しながらファンを増やす手法として新しいツールとなっている。
金岡教授:街づくりをするにあたってのヒントなど。
圏域という枠で考えると地域性がいろいろあるが、地域資源は住んでいるとなかなか見つけられないことも多く、誰かが指摘してくれないと気づくことができないことがある。そのような人材は必要であり、その人材の発掘を進めていかなければいけない。
考え方を教えるのが研究所でありそれぞれの答えを出す努力をしていただきたい。公園を事例にすると、地元の人が本当に必要としている公園を提供する街づくりが求められてきている。良いものを作ったが受け入れられない時にどのようなアプローチが必要なのかいろんな角度で考える力をつけてほしい。
都市・交通デザイン学科が誕生し高岡市の観光向けのレンタル自転車の利用を調べる機会があった。自転車を借りている人の高岡大仏の滞在平均時間が2分ほどだった。いままで経験や勘だったものが情報を的確に使って公共交通の有効な運用などを考えることができるようになってきた。
以前より環境コミュニティービジネスや、ソーシャルビジネスなど出てきているが、地域の中で自分のビジネスで地域の課題を解決するワクワク感を感じた。経済産業省でも地域資源を使ったビジネス支援などしっかり支援してゆきたい。
地域活性化のやる気を感じる会だった。新しいビジネスを成功させるのは大変な事だとは思うが、地域創生の1番は人であると言われており、地域の中で行動力のあるメインプレイヤーになって、地域の課題をしっかり見つけ出し活躍していただきたい。
いろんな業種から集まっているこの研究生同士が勝手に繋がっていくことで、いろいろなアイデアからビジネスに広がることを期待している。官庁、金融機関もそろっているこのビジネス研究所をチャレンジする場として活用してほしい。
福田直之 高岡市市長政策部長
たくさんの行政や金融機関に後援をいただき、若手経営者が集まったことに感謝している。
企業の人材不足や人口流出、人口減少が問題とされているが、当圏域には世界遺産や日本遺産など魅力ある資源があり、これらの資源を生かし自社事業の発展につなげていくことを期待している。
特色ある地域の資源や人材を使った地域発の事業が自社や地域の発展につながることを期待している。