魚津三太郎塾第6期
魚津市/富山大学
地域課題と企業課題を解決する地域プロジェクトの創造 いざ未来形魚津へ!

事業レポートReport

魚津三太郎塾第7期9日目
コミュニティビジネス育成起業化論②

日時:平成30年11月22日(木)14:00〜17:00
会場:魚津市役所 第1会議室

魚津三太郎塾第7期の9日目が開講。前回に続きコミュニティビジネス育成起業化論として,高岡市から町衆高岡の清水悟氏を講師に招き,地域のつながりの場として展開する山町ヴァレーについてヒアリングし,ビジネス手法での地域課題解決やコミュニティビジネスのケーススタディをおこなった。

9日目第11限 講義
コミュニティビジネス育成起業化論②
講義:地域のつながりの場

講師:町衆高岡 清水悟氏
8日目 コミュニティビジネス育成起業化論①

最初に自身も魚津三太郎塾と同様に高岡で開かれた「たかおか共創ビジネス研究所」第3期生として参加し,学んだことを事業に活かしていると話し,高岡の山町や金屋町を紹介しながら,その間で営業する本業の不動産業を通しての地域課題や背景などを話した。

本題である2017年にオープンさせた山町VALLEY(ヴァレー)についての概要や背景,運営状況など詳細を説明。空き家となり,雨漏りや経年劣化が進んでいた山町筋に建つ木造3階建ての洋風建築と土蔵群を抱える旧家をリノベーションした施設で,株式会社町衆高岡は施設運営会社として設立したと紹介。

コンセプトに町衆文化を掲げ,企業・観光・交流のそれぞれ交わる,行き交う拠点・場所としての活用してもらおうと計画。運営会社は少額出資を募り有志にて設立し「自らが学び,考え,動き,稼ぐ」主体性を持った団体として運営し,店子(入居者)も一緒に運営,地元の協力を得るためにワークショップを開き合意形成を図ったと説明。また,建物のリノベーション工事の過程について紹介。これまでの古民家や空き家物件の活用事例でのノウハウを山町ヴァレーに活かしたと話し,工事過程では行政の文化財担当課と建築担当課と調整しながらの工事だったと話し,建物の工事前後の状態や工事中の様子を写真で紹介し施設内の様子についても説明した。2017年4月に一部を残しオープン。同年11月に全てをオープンさせ1年が経過した。現在は全てのテナントも入居し順調に前進していると話し,開催してきたイベントを紹介。

高岡市や町衆高岡主催のイベントに加えて,最近では各テナントが主催するイベントも増えてきたと,イベント内容や様子などを説明した。このプロジェクトに取組み3年かけて分かったことは,時間をかけて少しずつ,理想に向けての行動をしていると,意外と身近の人たちは助けてくれ,なんとかなると話し,次に取組はじめた事業にも触れて,全てを当事者として取組み,プラットフォームとしての役割を担っていきたいと意気込みを伝えた。

質疑応答

今回の講義内容について,質問事項の整理を兼ねてワークシートへの書き込み作業をおこなった後,今回の講義内容に関しての質疑応答が行われた。塾生からは,つながりを持つ場所についての仕掛や,人が集まる仕組み,まちのビジョン,地元の人とのコミュニケーション方法,観光や海外インバウンドの取組み,運営やイベントでの事業収益についてなど細やかな質疑応答がおこなわれた。

9日目個人ワーク/意見発表
論点:事業プラン立案の思考

今回の講義ケーススタディとして,質問事項の整理を兼ねてワークシートへの書き込み作業をおこなった。地域と企業の共通価値(地域課題と企業課題の共通解決策)は何だったのか,まちづくりについてどんな「場所」にしたか?どんな工夫をしたか,地域に必要な企業とは,地域と企業の将来像(展望・効果)は何かを,塾生たちは自分の意見で個人ワークシートにまとめた。

まとめた内容を各項目毎に発表し,講師から内容の不足部分やさらに深い説明,追加する話題やコメントが加えられ,塾生の理解を深めさせた。山町ヴァレーとは何だったのか,どんなつながりを目指していたのか,どんな場所にしたかったのか,地域の効果や企業の効果などについて意見交換をおこない,魚津の課題と照らし合わせ自社に置き換えて事業プラン立案の思考力を鍛えた。講師から事業プランの立案について,大きな夢だけでなく今一人でもできることから始められるコトから考えてみることが大切で,実際やってみて始めて判ることも多いとアドバイス。金岡教授から魚津総合公園のにぎわい創出のためのサウンディング調査を開始した話題が提供され魚津も動き出していると話し,藤田氏が,前回今回の講義にあったような身近なところからビジネスを考えていってもらいたいとまとめた。