富山大学と魚津市の共同主催による,魚津の将来を担う企業人・地域リーダーの育成を目的とした「魚津三太郎塾」の第7期開講式が行われた。「魚津の水循環」をテーマに,ビジネスでの地域課題解決やCSV(共通価値の創造)を来年3月までの講義と演習で学び,ビジネスプランや地域プロジェクト創造を目標とする。開講式には第7期塾生の他,主催の富山大学,魚津市関係者,協力金融機関各行と後援機関各団体関係者,塾生OB,マスコミ関係者など約50名が参加した。
に感謝いたします。魚津市一番の資源となる人材育成の場として6期まで52名の修了生が巣立ち,今期8名の塾生が学んでいくことを嬉しく思っています。人口減少の時代,その地域に住むものがどうやって地域を創り課題を克服してアクションをおこすことが重要。魚津三太郎塾はこの問題に取り組んでいくための素晴らしい装置であり,全国的にも注目もされている。自信を持ってこれからの魚津を考えていく場にしていきたいと思っている。
魚津三太郎塾第7期を迎えることは,富山大学にとっても嬉しく思っている。多くの皆さんが集まってくれたことに感謝します。富山大学として全国で最も高く評価されている地方創生の取り組みのスタートの場が魚津三太郎塾であり,修了生の成果は,魚津市長や魚津市と関係機関の皆さんが7年間支えていただいたカタチである。新しい地方を創り上げるために邁進し結果をだしてきているのは素晴らしい。みなさんで新しい歴史を創り出してもらうことを期待します。
地域を担う企業人を多数輩出している産学官金言連携によるCSV等を目指した人材育成は,県内外広く拡がりをみせた先進的取り組みの一つとして高く評価されています。魚津三太郎塾が地域の担い手を育成する機関として継続し,ここで育った人材が地域の資源を活用し地域の特性を生かした地域活性化へ頑張っていただきたい。北陸財務局でもこの取り組みを全国へ紹介させていただいており,財政金融等の関係機関と連携し地方に貢献していきたい。魚津三太郎塾がますます進化・発展し,塾生の皆さんが地域のリーダーとして活躍されることを期待します。
魚津三太郎塾第7期開講にあたり,魚津三太郎塾の開講の目的と背景について説明。自ら考え行動する人材の育成を目標に,地域課題の解決をビジネスで取り組むコミュニティビジネスと魚津の水循環(地域資源)を学び,環境(地域課題)と経済の両立・CSV(共通価値の創造)をとらえ起業・第2創業の手助けを目的とすると説明。協力後援機関を紹介し,産学官金それぞれの立場からの必要性示した。各期事業の検証・改善をおこない提案事業の実行率向上を図っていると紹介。「魚津の水循環」を主テーマに置き,魚津の地域課題にもスポットを当てた今期の講義予定やカリキュラムイメージなど塾概要について説明。本塾の運営に際しての視点のキーワード「環境ビジネス」「社会的課題」「地域的課題」「価値の創造」と持続性確保の視点となる「SDGs」について説明し,修了生の動きや現在の取り組みを紹介。広がっていく修了生の活躍と今後の塾の可能性を示し,魚津三太郎塾を核とした現在の活動イメージについて説明した。
本日参加の7期塾生が自己紹介をおこない,各自2分の持ち時間で企業情報や事業内容,本塾への参加動機や抱負などを発表した。
人材育成システムとしての魚津三太郎塾の方向性についてや明日の魚津を形成する未来の力についてをテーマに座談会が開かれ,参加者の意見が交換が交わされた。
塾では具体的な形として道の駅の提案をしたが,ビジネス寄りで事業者間の連携でのローカルビジネスネットワークを形成させることが目的だった。業者間連携・修了生の連携を図るために取り組んだのがギフト販売カタログ「おつかいもん魚津」であり,事業者が交流を図るコワーキングスペースの必要性を感じ「コワーキングスペースmachi-co」の運営に取り組むことになった。1年目はコワーキングスペースの紹介理解を図るところから取り組み,ビジネスマッチングをコンセプトとしたイベントやSNSメディアとの連携,各種団体との交流会の開催などを通じ人づくりをサポートしてきた。今年は事業者間同士でのつながりが拡がり,イベントがなくても活用されるようになった。おつかいもの魚津は手に取れるカタログとして評価を受けたが,最近はネット普及が著しく形は変わってきてネット活用も必要となっており,参加メンバーと写真や内容について検討している。
塾では「笑顔あふれる街UOZUキラキラ輝くママプロジェクト」を提案。子育てママとフリーランスのママをつなぐ応援団をつくった。第1回目のマルシェを開催し,出店者は全員魚津で活動するフリーランスのママで,市役所等各所やWEBでの発信をおこない市内外から悪天候にもかかわらず400人の来場者があり大成功を収めた。また,3足のわらじを履くママと題したトークイベントを開催したら,想定していたターゲットの方が多く聞きに来てくれた。今後イベントはクリスマス頃に2回目を予定し,今後定期的に開催していく。
先日,田辺市を訪問しても感じたことですがその町が持っている伝統・歴史,人の生活など特殊性を地元の人が意識し,新しい人が集まりながら新しいものを創り出していくことは楽しみであり継続させることは素晴らしい。形となって定着するには何年もかかる,これからが魚津三太郎塾の力が発揮されるだろう。一歩一歩の積み重ねが大切である。
島澤さんの取り組みmadhi-coの運営は市委託事業という様々な制約の中でよく頑張っている。大島さんの取り組みココマルシェは大変楽しかった。人を惹きつけ繋げる場所をつくってもらっている。魚津三太郎塾は水資源という地域資源に拘っていることが重要だと思っている。同時に多様性も必要だと思っている。人と人との交流を多くすることが多様性を生み出す。その動きを加速させるのがこの塾であり,塾生の皆さんには個々のレベルで人を惹きつけていけるよう期待している。
「参加する前から民間と市役所とのギャップを埋める必要を感じていた。官民の連携によって進んでいくものは多い。ギャップは役所だけでなく事業者間やサービスを受ける側との間でも同じ。今後事業を進めていくキッカケを作る場にこの塾をしてほしい」
「水循環と直接繋げることが難しかったが魚津の地域課題と結びついて考えることができた。この塾に参加して良かったことは,自分で考えて自分がこのようになったら地域はどうなるかを考えることができるようになったこと。個々では限界がある。魚津は女性が輝ける街であることを県内外に伝えられ集まってくれればいいと活動を続けている」
「参加の動機は高齢化する魚津について考えたから,この塾で学び自分の考えをまとめ魚津の発展に貢献したい。年を取っても窮屈でない魚津市,選択の幅が拡がる地域にしたい」
「自分自身の新しいステージへのチャレンジのために参加した。構想のブラッシュアップをしたい。輝く女性を増やし魚津を元気にしていくために何をしていくかを考えていきたい」
「少子高齢化人口減少に向き合い,私自身の仕事を確保し,次の世代に残していくことを考えたい。 SDGsなど2030年に向けて世界が動き出してる。若い世代にしっかりとした知識を与え自分の仕事をしっかりみつめる場を与えたい。」
「私が取り組みたい地域課題解決に携わる人はボランティア率が高い。障害者の仕事増加のための支援を考えたい。また,認知症サポーター育成しても活用されない現実や老人と地域で関わる人など地域課題と経済を両立できることを考えたい」
「次にやりたいビジネスの準備は進めている。時間がなく忙しいママでもできるという姿勢を見せていきたい」
「魚津市自体が高校の先生になると面白いと思っている。学校自体が均一で優秀な人材を育てるだけでなく地域に求められる多様性や魚津でできる多様性を生徒たちに伝えられる存在になるといい」
「転勤で魚津市民となり,蜃気楼を見たりや祭りに参加するなど魚津の様々な事を体験し,魚津市の素晴らしさを実感した。魚津発で何でもできる可能性を感じている。金融機関として応援します」
「修了生の皆さんが地域資源を活用されて色々な新商品や事業を創出しているということで,新塾生の皆さんはプレッシャーを感じていると思う。新たなチャレンジという地域課題解決や新事業創出の熱い思いの中で参加していると思う。意欲と行動力があれば思いは必ず達成できる。自らが楽しくなければ長く続かないし,良いアイディアも出ない。ここで学んだことを活かし新しいチャレンジの中で成果を上げ,魚津が活性化していくことを望みます」
「魚津商工会議所の会員数は廃業等で毎年減ってきている。事業承継や新規事業に力をいれている。魚津での事業サポートのため,職員ももっと勉強し支援できるよう努めている」
この塾で自ら考えてやっていってください。そして色々な人と繋がっていってください。皆さんも良いアイディアがあったら色々な人を巻き込んでやっていくと面白い。そして皆んなの喜びとなるWinWinになるにはCSVつまり地域課題を共通価値にするから次につなげる新しいものを創り上げることができる。マチを皆んなで創っていけたら良いと思う。これからの半年間で,自分が何を解決して自分やマチが魅力的になるアイディアを創り出してほしい。この塾には10年の土壌があり,理論のベースがある。どんどん意見を交わしながら頑張っていただきたい。来年の修了式での発表を楽しみにしています。