魚津三太郎塾第6期
魚津市/富山大学

事業レポートReport

魚津三太郎塾第6期開講式

日時:平成28年8月29日(火)15:30〜17:45
会場:魚津市役所 大会議室
魚津三太郎塾第6期開講式

富山大学と魚津市の共同主催による,魚津の将来を担う企業人・地域リーダーの育成を目的とした「魚津三太郎塾」の第6期開講式が行われ,「魚津の水循環」をテーマにビジネスプランや地域プロジェクト創造と人材育成を目的とした来年3月までの講義がスタートした。開講式には第6期塾生と主催の富山大学・魚津市の関係者をはじめ,協力金融機関と後援機関の各団体関係者や塾生OB,マスコミ関係者など約60名が参加した。

魚津三太郎塾第6期開講式
開会

村椿晃魚津市長・富山大学 遠藤俊郎学長
魚津三太郎塾塾長 村椿晃魚津市長

「6期目の魚津三太郎塾が開講となり,これまで1期から5期まで48名の修了生が魚津の地域課題をみつめてそれを解決する事業を提案し実現させている。これまでの真摯な取り組みに感謝し,全面的にタイアップいただいている富山大学に感謝申し上げる。魚津三太郎塾が全国へも知られるようになり,この取り組みを参考にする動きも見られるのは嬉しく思う。人口減少していく時代に,どのように地域を考え,ダイナミックなアクションがとれるのかを,魚津という地域にこだわる基本線を守り,地域資源を追求した中から発展の芽が出てくると思う。人口が減っていく地域に若い人材を定着させる土壌をつくることにつながっていくよう,皆さんと思いを共有しながら,共に考え行動する魚津三太郎塾を今年もやっていきたい」 

富山大学 遠藤俊郎学長

「 本日魚津三太郎塾の6期目開講式を迎えたことに感謝します。開講から5年間経ち,第1期からここまで続いたのは魚津の塾生の皆さんや支援いただいた皆さんのおかげです。今期は修了生の再入塾を認めるなど新しい形で6年目となったとの次のステップにはいったと改めて感じる。この魚津三太郎塾が富山大学の新しい財産となり,地域連携の活動が全国区に紹介されるようになった。魚津での取り組みが日本をリードしている形となっている。素晴らしいことでますます発展させていただきたい。この塾のパンフレットの表紙の「3500」意味が誰でもわかるように三太郎塾を大きくしていきましょう」 

来賓挨拶

坪田利幸所長
財務省北陸財務局富山財務事務所 坪田利幸所長

「魚津三太郎塾の取り組みは財務省の会議でも全国で注目されている。財務省では交付金などの金銭的な支援はできないが,取り組みについて全国へ紹介したり,財政・金融という業務の機能の中での支援はできる。金融機関は資金・融資だけでなく様々な課題解決のためのノウハウを持っている。金融機関や各方面から地域の活性化のために支援できることを日々考えている。塾生皆さんは今後のカリキュラムに積極的に取り組み,魚津のためにシッカリとしたプロジェクト,事業を立案してください」

オリエンテーション
魚津三太郎塾の軌跡〜事業内容と目標〜

オリエンテーション
魚津市企画政策課地域資源推進班 前田久則

魚津三太郎塾第6期開講にあたり,魚津三太郎塾の開講までの経緯や塾の目的と概要,カリキュラムについてや修了生たちの取り組みについてを説明。魚津の将来を担う企業人・地域リーダーの育成を目的に,魚津市と富山大学,地域金融機関や協力関係機関,メディア等が連携して,魚津の特有の地域資源「水循環」をテーマに地域や企業の課題解決を図り,自ら考え行動する人材の育成と地域プロジェクトの創造を目指すとし,人の資源も活用しながら,環境配慮だけでなく人口減少等の課題解決するコミュニティビジネスで起業・第2創業の手助けが目的で,魚津市が人口減少していくことを理解して取り組んでほしいと説明。国土交通省が平成27年8月に発表した新たな国土形成計画の中で,基本構想にあげた「対流促進型国土の形成」が活力の源泉であるとし,新たな価値創造に人・モノ・情報の高密度な交流が実現しイノベーションを創出するコンパクト+ネットワークの国土構造が重要とされていると紹介し,受け止める産業の必要性を挙げ,塾生に自分が何をするべきか考えてもらいたいと話した。

塾の概要について,内容は毎回改良を加え事業実行率の向上を目指していると話し,テーマや産学官金の連携,新たな情報として持続可能な開発のための「SDGs」について説明。前年度第5期の講義内容・演習風景などを示し今後のカリキュラムのイメージを伝え,修了式までにプロジェクトをつくりポスター発表していくことを修了生の事例をあげて説明した。魚津三太郎塾の可能性として,修了生による中学生への授業や大学生への地域再生論演習の講義,ビジネスマッチングとコワーキングスペースを目的とした「マチコ」が異業種交流によるビジネスの場となっていることや,うおづビジネスプランコンテストの開催などの展開をあげ,本塾を核とした広がりを紹介。4つのキーワード「環境ビジネス」「社会的課題」「地域的課題」「価値の創造」について説明し,CSVを意識し一緒に頑張りましょうと話した。

6期生 自己紹介

自己紹介

本日参加の7名の塾生が,自己紹介をおこない企業情報や事業内容,本塾への参加動機や抱負などを発表した。

座談会
「明日の魚津を考える」 〜人材育成システムとしての魚津三太郎塾〜

パネリスト :村椿魚津市長,遠藤富山大学学長,第6期塾生,来場者
話題提供  :新川高校教頭 濱元克吉氏
プレゼンター:富山大学地域連携推進機構教授 金岡省吾氏

人材育成システムとしての魚津三太郎塾についてや明日の魚津を形成する未来の力をテーマに座談会が開かれ,参加者の意見が交換が交わされた。

金岡教授
「まずは濱元さんから新川創生プロジェクトの話題提供をいただきたい 」
濱元氏
濱元氏

「第5期生として魚津の未来をつくる人をつくるプロジェクトを発表した。水循環と教育をどのように繋げるか悩み,新川高校が必要な理由・地域での役割から考え,魚津に存在する理由や問題点がどこにあるのか一つ一つ詰めていった。近年魚津・新川地区の高校入学者が減少,富山市の高校へと流れ,中学生も都会へ出ていきたいという傾向がある。地方が抱える人口減少課題と同様で,新川高校だけでなく魚津・新川地区全体が元気にならないとダメだというところからスタートした。子どもたちが地域を正しく知ること,地域を愛する心を育てることに取り組み始めた。PTAの活動としてコミュニティビジネス委員会で広報活動と地域PRと商品開発に生徒とともに取り組み,生徒の自主的に取り組みや地域を愛する子供たちを増やす 活動がおこなわれ,その活動は今年から部活動となり,魚津の水に合わせたコーヒーや魚津の果樹を利用したスイーツの開発に取り組んでいる。今年6月,新川高校と富山大学・魚津市と「地域に残り,地域を支える若者育成」に係る連携協力に関する覚書を締結し,地域の特性を学ぶ授業や地域にこだわる就職インターンシップなどを進めている。6期生の皆さんは地域に存在する理由を考えて頑張ってもらいたい」

金岡教授
高校が人口減少を止めることに関わっている。大学も同じ。地域を愛する心(ソーシャルキャピタル)を育むことに取り組んでいる。高校でも水循環を喋ると魚津に人が集まってくる。次は市長の方から感想や課題などをお話しいただきたい」
村椿市長
村椿市長

「高校生の地域での役割,地域で役に立っている自覚が持てる場をつくりたいと思い新しい試みを準備している。
塾生の皆さんに期待していることは地域にワクワク感を出してほしいこと。一例として,「魚津のうまい水」というペットボトル水が,唯一モンドセレクション最高金賞している。このことを話すと,市民が自信・誇りを持つことになり水が良い魚津としてイメージを発信できる。もともと魚津にある資源を活かしてイメージをつくり,シッカリ発信したい。共通価値を持ち地域イメージをつくる大きなストーリーの中に,みなさんのプランやそれぞれの人が組み込まれて関わりを持つようになれば嬉しい」

金岡教授
「CSVのところの話をいただいたが,塾生は今の部分の答えをこれから考えていってもらいたい。次は学長の方から塾生にお話しをいただきたい」
遠藤学長
遠藤学長

「魚津三太郎塾の1期目開講式の時は質問を求めても誰も話さなかったが,修了式の頃には話が止まらないくらいになった。このことが大事なことである。ところで今回再度参加する美浪さんに何をしたかったのかを聞かせてほしい」

美浪塾生
美浪塾生

「お客様へ魚津をアウトプットすることを日々続けてきているのですが,6年前にいただいたインプットに自分の解釈を加えていたのですが,さらに深く学び直したいと思ったからです」

遠藤学長
遠藤学長

「濱元さんの話を受けてだが,国立大学の学長会議でも問われているのは日本の高等教育の10年後の姿。少子化へ対応したグランドデザインを描くことを求められている。濱元さんは新川高校という舞台で将来デザインを描いた。その発想・ストーリーが国立大学でも問われている。 国立大学でもグランドデザインを描いているが文部科学省でなく現場の先生が描かなければならない。全体像は皆さんでつくり考えることが重要である」

金岡教授
「塾生の皆さんも修了式に何を話せるか期待します。各プレーヤーがどのように関与していくかの答えを徐々に出しはじめていけると思う。では,本日ご参加の後援機関・金融機関の皆さんからご意見をいただきたい」
青山美代子
中部経済産業局北陸支局産業課長 青山美代子氏

「水循環というキーワードから,以前環境ビジネスを担当してた時,海外での水のありがたさ,浄化のありがたみを実感した。 有償での浄化の理解を求める時,現地学生への教育で環境意識を醸成し,一人一人の行動を変えてまちを綺麗にしていくことに成功した。日本人は自然を利用して共生することが得意。豊かな水循環の中でのヒントとなる。様々な業種が集まった異業種のコラボは大事で,畑違いの素人の目が重要。身近な人への思いが商品化につながっていく。皆さんが市民を巻き込んで魚津が発展していくことを期待します」

新井健志
日本政策金融公庫富山支店融資課長 新井健志氏

「当公庫でも地域の疲弊をもたらす人口減少に危機感を抱いている。この塾の考え方とはマッチしているので起業やビジネスを支援していきたい。ビジネスなので事業計画が大切で利益を追求することが地域貢献となる」

北陸銀行

「昔,新しく商売を始めることや本業外の事業を始める時には金融機関はかなり慎重であったが,今は積極的に支援・応援する体制をとっている。金融機関は資金だけでなくソリューション営業にも力を入れている。我々も積極的に魚津のために頑張りましょう」

富山銀行

「銀行も地方創生に向け金融支援を行わない創業支援という至上命題を頂いてる中で生き残りをかけて営業にあたっている。 前に出て汗をかいて,皆さんと一緒に魚津の活性化に努めていきます」

富山第一銀行

「中小企業の色々なステージの中での課題を一緒に掘り起こして,ソリューションを提供していきたい。皆さんがが元気になれば地域も元気になることにつながると思っている。IT企業が農業に参入するコミュニティビジネスに一緒に資金計画も進めている事例もある。積極的に色々なお手伝いさせていただきたい」

新川信用金庫

「塾生の皆さんの提案事業に期待します。様々な補助金の申請制度などやクラウドファンディングにも力をいれている。必要なことがあれば地元の金融機関に相談してください」

新川インフォメーションセンター

「ケーブルテレビは魚津市だけでなく県域全体・全国へ伝えることもできる。塾生の皆さんの考えたことを地域の方に知ってもらい,地域を変える原動力となって塾生として取り組んでほしい」

北国銀行

「官学金の力を集めた恵まれた環境の中で地域を学び,知恵をだせることは素晴らしい。皆さんの企業・個人の成長発展のため 魚津を発展させ新川地区を引っ張るよう頑張って欲しい」

金岡教授
「塾生からの意気込みを聞きたい」
富居塾生
富居塾生

「抱負は,温暖化・少子高齢化・顧客ニーズが変化する中,多くの選択肢がもてるようになりたい。この場を活用させていただき充分に学び,豊かで誇れる仕事ができ,子どもたちに憧れられる仕事をしていきたい」

大島塾生
大島塾生

「自分がIターンだからわかるのだが,魚津は水に恵まれ子育てに良い所。魚津のいい所は幾つでもあげられるが,住んでる人には当たり前のことで,良さに気がつかないのはもったいない。水の素晴らしさを魚津の皆がキラキラ語れるようになってもらえるように自分のビジネスも考えたい」

金岡教授
「魚津の水循環の中で自分の企業がどんな位置あるのか,CSVを意識して修了式で答えを出してください」

閉会挨拶

閉会挨拶
富山大学 理事・副学長 鈴木基史氏

魚津三太郎塾と同じ取り組みをしている田辺市では魚津を意識して,地元のものを活かして,異業種でコラボして新しいものを作り出している。田辺は熊野古道の出発点であり素晴らしい場所だがその良さを地元がわかってないところがあったりする。今,大手商社が海外だけでなく地方へ目を向けている。地域でやっていることが大きなビジネスになる可能性があるというのが私の感想である。塾生の皆さんも,最後には金岡先生や他の塾生と語り尽くし,ずうずうしく堂々とした姿で修了式に出てくることを期待しています。