魚津三太郎塾第6期
魚津市/富山大学

事業レポートReport

魚津三太郎塾第6期2日目
導入講座

日時:平成29年8月21日(月)14:00〜17:00
会場:魚津市埋没林博物館 研修室
自己紹介・質疑応答

魚津三太郎塾第6期の2日目が開講。本塾の概要や目標とカリキュラムイメージについてのオリエンテーションをはじめ,修了生らが取り組む魚津三太郎倶楽部についての紹介と今後本塾で取り組む基本となる考え方の導入となる「地域づくりと企業行動」についてを地域再生システム概論を学んだ。

2日目第2限講義 オリエンテーション
魚津三太郎塾について〜第6期開講にあたり〜

講師:魚津市企画政策課地域資源推進班 前田久則
自己紹介・質疑応答

第6期開講にあたり,魚津三太郎塾についての説明がおこなわれた。本塾開塾の背景と目的について,人口減少・少子高齢化といった地域課題や個々の企業が抱える課題を,魚津の特徴ある自然環境や資源を活用して解決し,経済と環境を両立させることを目指し,自ら考え行動する人材を育成を目的にしていると説明。包括連携協定を結んだ富山大学と共同主催している本塾は市総合計画に組み込まれ「安心雇用プロジェクト」の中に位置付けられていると話し,塾生は企業後継者や経営者,創業志望者を対象として起業,第2創業の手助けを目標としているとした。目標達成の手段として,主テーマを「魚津の水循環」という魚津の地形・自然・特徴に着目するところに置き,講義とディスカッションを12月まで10コマ,1月から演習やミニゼミを開催し,3月の修了式でポスター発表を行う本塾カリキュラムの流れを説明。受講の心構えとして「時間厳守」「各自でメモを取る」「自ら考え行動する」ことをあげ,他者批判や無い物ねだりで終始するのではなく,課題を挙げ具体的に自分なら何をするか考える人材となってもらいたいと話した。さらに,塾内でのディスカッションルールとして「質問前に社名・名前を述べること」「最初に一言で要点を話しその後は簡潔に質問する」「他者意見を批判せず肯定的に前向きに捉える」「追加・発展は歓迎」「講師と塾生だけでなく塾生間やオブザーバーとの議論も交わす」ことを守り講義に臨んで欲しいと告げた。また,最終ポスター作成のための演習シート活用についても説明した。

主テーマである「魚津の水循環」について魚津の立地環境・地形を説明。片貝川は魚津市内で水循環を完結する稀有な自然で,正しく環境の価値を理解することは企業活動でも重要となると説き,魚津三大奇観である「蜃気楼」「魚津埋没林」「ホタルイカ群遊海面」はいずれも魚津の水循環に関わるモノであると紹介した。

本塾カリキュラムのイメージとして前年度第5期の講義内容で,開講式から修了式までの流れを紹介。修了生の製作したポスターを掲げ企業課題と地域課題を解決する事業提案のイメージを伝えた。また,塾修了生により設立された魚津三太郎倶楽部の取り組みを紹介し,魚津三太郎塾を核とした拡がりについて説明した。最後に受講に際しての視点のキーワードとして「環境ビジネス」「社会的課題」「地域的課題」「価値の創造」の4つについて説明し,第6期生塾生に対して,何をすれば自分の企業が生き残れるかを最優先に,自社の強み,自身の特技はなにかを考え,自社のある地域のことを知り,将来の魚津地域をイメージしてドコのレベルの企業を目指すかということを常に意識して講義やディスカッションに臨んで欲しいと話した。

その後,新川インフォメーションセンターが制作して地元ケーブルテレビで放送された番組のVTRを視聴。第1期修了生を取材し,修了後の様子や事業経過の紹介と魚津三太郎塾の概要を報じた番組の映像を通じて,何かと何かを掛け合わせ,継続的に何かを創っていくイメージを感じ取った。

自己紹介・質疑応答

自己紹介・質疑応答

今回参加の6名の塾生が,自己紹介やオリエンテーションへの質問・感想など1人1分ほど発言。各塾生から自社のことや塾への思い・参加動機などが話された。

2日目第3限講義
魚津三太郎倶楽部の取組

講師:有限会社COM-POST 代表取締役 島澤達也氏
魚津三太郎倶楽部の取組

魚津三太郎塾3期修了から代表として魚津三太郎倶楽部と中央通りでビジネスマッチングとコアワーキングスペース「machi-co」を運営している経緯や活動内容などについて紹介。塾生時代には,地域振興をテーマに提案内容を考察し,地域振興には人口減少社会,過疎化に対応した地域の情報の発信の重要性とその情報をもとに地域へ流入する人口の増加を図り交流人口を高めていく事の必要性を感じ,地域の拠点施設設置へ向けた勉強会や地域商品の交流販売の場の提供などの事業提案を行ったと話した。

魚津三太郎塾修了生を中心に異業種のメンバーが集まり,魚津特産の商品のブランディングや情報の発信,新たな商品の開発や販売,消費者と生産者の接点作りとなるイベントの開催,魚津特有の自然環境をより深く理解しその保全活動に尽力すること,地域の資源を守り次代の人々へ継承することなどをを掲げて設立した「魚津三太郎倶楽部」の取組みや背景・目標などを説明。ギフトカタログ「おつかいもん魚津」について紹介し,ビジネスマッチングを行い,一つの事業者では集められない情報や顧客を共有・シェアすることで多くの人に知ってもらうきっかけとなったと話した。また,今年4月に魚津市中央通り商店街にオープンしたコワーキングスペース「machi-co(まちこ)」について紹介。同所は,起業を目指す人の交流や既に創業している人と他の事業者の交流拠点の場,事業者同士が交流して新たなビジネスの創造促進させる場として無料Wi-Fiや各種機器を整備したスタートアップスペースと説明。

Coworking spaceの活用が活発になった背景にはグローバル化や情報・コミュニケーションサービスの自由化,近年のICTの発達による物流・物販・コミュニケーションの活発化があるとし,特にICTを活用したグローバル化が地域には重要で,SNSを利用したコミュニケーションから派生した新たなビジネスなどシエアリングエコノミーを利用したサービスは地域の中のビジネスとして世界基準で始まっていくので,変化のスピードに対応する地域づくりを進めていく必要性を説いた。

2日目第4限講義
地域再生システム概論 地域づくりと企業行動

講師:富山大学地域連携推進機構 教授 金岡省吾氏
地域再生システム概論 地域づくりと企業行動

冒頭,金岡教授の自己紹介と,地域の課題を自分たちの企業ビジネスで解決させるプロジェクトをつくることを目標に,環境を守り・育み・活用することで企業の繁栄を考えることに一緒に取り組み,CSV(共通価値の創造)を学ぶ本塾の考えを説明。自ら考えて行動していくこと,地域の課題をビジネスチャンスとして捉えていくことが大切と話し,これまで同様の考えで取り組んできた魚津,高岡,和歌山県田辺でのビジネスで地域課題解決を突破口にしているビジネス塾の取り組みや,舟橋村での人口減少対策としての子育て支援コミュニティづくりの取り組みを紹介。

具体的なビジネスプランとして取り組む事例として,高岡の仏壇店による寺子屋づくりや福祉用具店による福祉プラットフォームづくりの事業についてや田辺のみかん農家による「農人と森の番人プロジェクト」などを紹介。たなべ未来創造塾ではコンセプトやストーリーづくりに力をいれる動きがでて,LLP(リミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ=事業を目的とする組合契約を基礎に形成された企業組織体)をクリエイターが中心となって,地域の課題や事業課題を解決するためのプロジェクトを推進・製作する『TETAU』と連携した運営を行い,地域の事業者が連携した地域の強みを活かした地方発のビジネス展開を図っていると紹介。

人をつくってビジネスをつくっていくことが地域づくりで地方創生であると話し,新しいイノベーションを起こし,みんなで考えていく場所やみんなで稼ぐ力を作るためのコミュニティスペースやコミュニティビジネスを創業する場所をつくる動きが全国的な流れである。ソーシャルイノベーターも多く生まれている。人口が減少していくこともチャンスと捉えることができると塾生へエールをおくった。

ディスカッションでは,各塾生から地方創生やテーマの水循環についての感想,各自が感じている魚津の課題やなど様々な発言があり,塾生・講師間で意見交換が行われた。前田氏からは「様々な事例を活用して,根幹に何があるあるかを掘り下げて理解すれば,枝葉が活用出来る」とアドバイス。金岡教授からは「何が切り口になるのかは判らない」と広い視野を持って学ぶことの重要性を塾生へ伝えた。