たなべ未来創造塾-地域から必要とされる新たな仕事を創りだす-
未来デザイン

たなべ未来創造塾 第4期 事業レポートReport

たなべ未来創造塾第4期開講式

2019年7月27日
日時 :令和元年7月27日(土)14:30~17:00
会場 :田辺市文化交流センター たなべる 2階 大会議室

田辺市と富山大学地域連携推進機構の共同主催により、地域課題の解決や地域資源の活用をビジネスの手法で考える人材の育成とビジネスモデルの創出を目指した「たなべ未来創造塾」第4期の開講式が行われ、令和2年2月までの約8か月にわたる取組が本格的にスタートした。

開会挨拶

たなべ未来創造塾長・田辺市長 真砂充敏
たなべ未来創造塾第4期開講式 開会挨拶

新しいJR紀伊田辺駅舎が完成するとともに、駅前活性化施設などの景観まちづくり刷新事業が今年度中に完了、武道館についても来年秋頃の完成を予定している。

さらに数年後には庁舎移転と、まちなかが大きく変わろうとしている。
しかし、ハード整備だけではなく、まちを創っていく人を生み出していくことが大事だと認識する中で、たなべ未来創造塾をスタートさせた。

こうしたソフト事業は効果が出るまで5年はかかるだろうと考えていたが、修了生の皆さんの多くが実行し、また、塾生同士の連携、塾生と塾生以外の事業者との連携なども生まれ、地域全体に機運が高まりつつある。

こうした動きは、国の関係省庁、県などにも注目されるようになった。
  4期生の皆さんには、十数回の講義の中で、是非思いをカタチにしていただきたい。

来賓挨拶

近畿財務局和歌山財務事務所長 花田一夫
たなべ未来創造塾第4期開講式 来賓挨拶

 財務省の総合出先機関として地域の活性化につながる様々な取組を進めているが、たなべ未来創造塾の取組については、第2期よりお手伝いをさせていただいている。市や講師、修了生などの支援のもと、着実に成果をあげ、地方創生の優良事例として注目されるようになっている。

起業塾や創業セミナーなどたくさんある中で、たなべ未来創造塾が特に優れていると思う点が2点ある。
1つは、目的。「地域課題を解決する」「地域資源を活用する」ということに着目していること。
2つ目は、塾生同士のつながりの強さ。

近江商人の三方よしという考え方があるが、これに「未来よし」を加えた四方よしという言葉があることを知った。是非、たなべ未来創造塾で目指してほしい。

オリエンテーション 〜たなべ未来創造塾が目指すもの〜

富山大学地域連携戦略室長 金岡省吾 教授
たなべ未来創造塾第4期開講式 オリエンテーション 〜たなべ未来創造塾が目指すもの〜

富山大学では「魚津三太郎塾」や「たかおか共創ビジネス研究所」などを通じて、ビジネスリーダーの育成や新たなビジネス創出に取り組む中で、地域活性化の中核拠点としての役割を果たしてきた。

人口増加の時代では、全国総合開発計画に代表されるように行政主導の大規模開発が数多く行われてきたが、人口減少の時代に入り、国では国土形成計画といった考え方にシフトし、持続可能な地域づくりに向け、地域の「稼ぐ力」が大きく求められており、ボランティア的な要素が強いCSRから地域課題をビジネスに結び付けるCSV、民間主導の地域に根差したローカルイノベーションが注目されるようになってきている。

こうした中で、「魚津三太郎塾」や「たかおか共創ビジネス研究所」「たなべ未来創造塾」から多くのローカルイノベーションが創出され、その結果、富山大学がCOC+(知の拠点大学による地方創生推進事業)の中間評価においてS評価、イノベーションネットアワード2018で優秀賞を受賞するなど、全国から注目されつつある。

田辺市たなべ営業室 鍋屋安則

全国平均より早いスピードで人口減少が進み、内需に依存した経済構造を有する田辺市にとって、「交流人口の増加」「地域経済の活性化」に向けた取組が必要で、そのために富山大学地域連携推進機構と「人材育成の連携に関する覚書」を締結し、「たなべ未来創造塾」を具体化してきた。

平成28年度の創設後、これまで3期35名の修了生を輩出し、そのうち60%が実際に行動を起こしていることを説明するとともに、修了生による具体的なビジネス事例を紹介した。

塾生自己紹介

塾生が各自1分以内で自己紹介を行い、企業情報や事業内容、参加の動機、抱負などを話した。

トークセッション

(1)話題提供 田辺市たなべ営業室 鍋屋安則

オリエンテーションで紹介した修了生のビジネス事例のほかにも多くの実践事例が生まれているとともに、多くの塾生がつながり、エンゲージメントを形成していることを説明した。

さらに、修了生が自主的にOB会を立ち上げたり、高校生と修了生との商品開発プロジェクト、大学での講義やフィールドワーク受け入れ、首都圏での関係人口養成講座「たなコトアカデミー」においてメンターや講師として参画するなど、つながりは広がっていることを紹介した。

(2)トークセッション テーマ「地域から必要とされるビジネスとは」

パネリスト 真砂充敏(たなべ未来創造塾長 田辺市長)
武山良三(富山大学理事・副学長)
花田一夫(近畿財務局和歌山財務事務所長)
須藤健文(日本政策金融公庫田辺支店長)
会場の皆さま
コーディネーター 金岡省吾(富山大学地域連携戦略室長)
真砂市長:

当初は30%動いてくれればと思っていたが、1~3期で60%が実行するという成果が出ている。思いはあってもカタチにするのは難しいが、そこまでやることを目的にしているのがこの塾。4期生はバラエティーに富んでおり、特に移住者が多く、新たな視点に期待している。

また、塾生同士、塾生と塾生以外がつながり、さらにつながりが予想を超え、高校生や大学生、都会に住む人にも広がっている。

花田所長:

いつもたなべ未来創造塾に参加し、元気をもらっている。意欲ある若い事業者と話しをするのを楽しみにしている。

この塾のつながりは本当にすごいと実感している。単に仲がいいというのではなく、新たなプロジェクトがたくさん起こっている。4期生の中でも新たなつながりが生まれることを期待している。

須藤支店長:

運営スタッフがすばらしい。田辺市の未来を真剣に考えている。このような環境で学べるのだから是非頑張ってほしい。

たなべ未来創造塾では、人とのつながりが強いと感じる。卒業してからも一緒に活動している姿をよく見る。4期生の皆さんもたなべ未来創造塾の輪に積極的に入っていただきたい。こんなに真剣に考える機会はそうない。今後の財産になると思う。

花田所長:

金融機関の在り方は以前と大きく変わっており、今は、事業内容や人となりをみながら融資をするようになっている。地方では人口減少が進むことから資金需要の低下が予測され、地方に拠点を持つ金融機関の将来に悲観的な論調が多いが、地域の活性化、地方創生により切り開かれていくと思っている。たなべ未来創造塾の塾生の皆さんが目指す方向と一致しており、金融機関には是非支援をお願いしたい。

須藤支店長:

公庫としては、国が掲げる成長戦略分野である創業、ソーシャルビジネス、農林水産業などを重点的に取り組んでいる。たなべ未来創造塾の目的である「地域の課題を解決する」ということはまさに公庫の役割の一つ。そのため、積極的に参画している。

武山理事:

アメリカでの情勢を踏まえると、これまでの資本主義社会の限界点が来ており、日本の家族的経営が新たに見直されてきているともいえる。投資家のための企業ではなく、社員と一緒に社会を良くしていこうというもの。

そのためには、志、哲学、文化が必要。Society5.0、情報化社会ともいわれ、データ化にとらわれているが、字のごとく「情」が重要だと思う。自分の企業がどう社会と関わるのかが問われている。
しかし、一人では不安なもの。人とのつながり、刺激しあって、志をもって取り組んでほしい。

武山理事:

これまで有名なデザイナーを呼び、数多くの商品を作ってきた。しかし、デザイナーは作れば終わり。一方、地場の企業は、デザイナーが目指すところを理解できていなかった。これからは先端の技術を持っている人は地場のことを理解しなければならないし、地場の企業もノウハウがないのなら一緒に勉強するという両者が歩み寄る姿勢が必要だと思う。

また、今は一級のものでなければ消費者は反応しない。世界を見据えることが重要。こうした中、東京でやるよりも地方でやることのほうが注目されており、収益をあげていくことも可能。

修了生からのメッセージ

  1. 修了生の先輩からアドバイスされたのが、「懇親会には必ず出よう」ということだった。具体的につながれる機会となるので、積極的に参加してほしい。
  2. 皆さんの自己紹介を聞き、私も頑張ろうとあらためて思うことができた。
  3. 地域の皆さんから「ありがとう」といわれる事業をしていくことが重要。「ありがとう」を言われることで継続していく力になる。
  4. 昨年では3期生のプラン立案に修了生がアドバイスしている様子も見受けられた。是非、修了生とつながりながら、うまく活用してほしい。

連携・協力・後援機関・講師からのエール

  1. たなべ未来創造塾の活躍は以前から聞いていた。皆さんの熱意に感銘した。今年よりコンサル営業室を設置し、本業支援に尽力してまいりたい。
  2. 地域金融機関として何でも相談してほしい。皆さんの頑張りが地域の活性化につながる。
  3. ワーケーションに取り組んでいるが、観光資源だけでなく、たなべ未来創造塾のような面白い地方の取組が都会の大企業の興味を引いている。これからも一緒に取り組んでいければと思っている。
  4. 持続可能な観光地とは何かと考える中で、「リスペクト」ということが重要だと感じている。観光客も私たちも地域を「リスペクト」しなければうまくいかない。これはどの分野でも当てはまると思う。
  5. 人と人のつながりがどんどん広がり、線が面だけでなく、球体にまでなりつつあるのではないか感じている。修了式でのプランを楽しみにしている。
  6. 真砂市長:
    講談師である神田松之亟さんが言われた「稽古はしょせん稽古」という言葉がある。
    これは、稽古をどれだけしても本番で得られることがたくさんあるということだと理解している。カタチにするのは難しいことではあるが、是非チャレンジしてほしい。

閉会挨拶

富山大学理事・副学長 武山良三
たなべ未来創造塾第4期開講式 閉会挨拶

そもそも、人間がなぜ社会生活をし始めたか。
それは、子どもを一人で育てられないから。そのために組織立って動き、言葉や文化を生み出した。人の営みの原点と言える。本当に人間にとって必要なことは何かということを徹底的に考えたときに、社会に役立つビジネスが生み出されるのだと思う。

たなべ未来創造塾第4期開講式