富山大学経済学部前身の文部省直轄「高岡高等商業学校」は1924(大正13)年9月に設置。 1944(昭和19)年3月に「高岡経済専門学校」と改称し,同年4月に「高岡工業専門学校」に転換。 1949(昭和24)年5月設置の「富山大学文理学部経済学科」により事実上復活し,1953(昭和28)年8月に「富山大学経済学部」となる。
高岡高等商業学校蔵書は高岡工業専門学校を経て,1949年に富山大学附属図書館(本館・工学部分館)へ引き継がれた。 1957年3月に附属図書館本館を併設した経済学部校舎が五福キャンパスに竣工し,蓮町キャンパス蔵書に高岡の工学部分館から新たに移送された専門書も加えて本館蔵書となった。 附属図書館本館が1974年に経済学部校舎から独立し,同キャンパス内に新築されたことにより書庫内の経済学部関係の図書と雑誌は経済学部所蔵となった。 1985年には工学部が五福キャンパス移転し,分館で所蔵されていた旧制学校の一般教養及び自然科学系資料の大半は附属図書館で保管されることとなった。
工業専門学校転換前の蔵書は46,581冊(和漢書34,476冊,洋書12,105冊)。1948年8月に戦災で蔵書を焼失した高松経済専門学校(旧高松高等商業学校)へ248冊(和書184冊,洋書64冊)移管。 1949年の富山大学発足時に高岡工業専門学校・高岡経済専門学校蔵書を所蔵する工学部分館蔵書は,50,240冊(和書38,980冊,洋書11,260冊),旧制富山高等学校蔵書26,737冊(他にヘルン文庫2,435冊),旧富山・青年師範学校蔵書20,626冊,旧富山薬学専門学校蔵書12,021冊。
高岡高商が商品学の教材として大正15年から昭和7年までの期間に収集した資料の一部,工芸品77点が昭和60(1985)年9月に富山大学工学部から高岡短期大学へ移管された。現在は,富山大学芸術文化学部に保存され,地域産業資料データベースに登載・公開されている。※文献:『高岡短期大学十年史』(1994)
貨幣標本は1961年12月に工学部から経済学部に管理換。掲載の写真は1982年7月〜1996年頃の撮影で,標本ケースには高岡高商当時の標題ラベルなども見られる。現在はケースが更新され,特別史料室にその一部を展示している。