日時 | :平成30年2月17日(土)14:30〜17:30 |
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会場 | :田辺市文化交流センター たなべる2階大会議室 |
たなべ未来創造塾<第2期>修了式は、真砂田辺市長、鈴木富山大学理事・副学長、講師陣、田辺市関係者、富山大学関係者、近畿財務局和歌山財務事務所、金融機関、後援機関、神島高校、魚津市関係者、高岡市関係者など約80名が参加し、塾生12名による最終プレゼンテーションとポスターセッション、修了証の授与、座談会が行われ、約8か月にわたり開催されたたなべ未来創造塾<第2期>の全カリキュラムが終了した。
大型プロジェクトを進めていくにあたり、新年度予算では積極的な予算とし、その一部を具体化させていく予定。しかし、大事なのはソフト事業。若い皆さんがハード事業をうまく活用しながら、それらが相まってまちづくりにつながる。是非ビジネスプランを実践してほしい。
地方が様々な課題を抱える中、田辺市ではハード事業と歩調を合わせるように新たなイノベーションが起こっており、元気だと感じる。また、富山大学では他の自治体とも様々な取組を進めており、これまでの取組が評価されてイノベーションネットアワードで優秀賞を頂いた。その中でも、皆さんの取組がエンジンになっている。今日は、皆さんのすばらしい発表を期待している。
開講式の不安な表情から一転して、いきいきと自信に満ちた表情をしている。地域の発展があって日本の経済が支えられる。財務事務所は財務省の出先機関であるとともに金融庁の業務も担っており、こうした観点からも協力している。
今日のプランの発表は、ゴールではなくスタート。実現させ、継続させていくことが重要。今後とも、こうした取組にいろんな形で応援していきたい。
たなべ未来創造塾創設のきっかけとなった「価値創造プロジェクト」における戦略ビジョン・戦略プランの取組から開講までの経緯を紹介し、地域課題の解決や地域資源の活用をボランティアではなく、CSV、ビジネスの視点で考えていくという目的を踏まえ、大きなプロジェクトよりも地域に根差した小さなビジネスを数多く創出することで、それらがつながり大きな力となっていくことが大切であると説明するとともに、これまで講義を通じて学んできたポイントを解説し、これから発表するビジネスプランはあくまでもコンセプト・ストーリーであり、収支計画等の詳細について、金融機関や商工会議所、商工会の支援をお願いし、経過報告とした。
塾生が作り上げたビジネスプランについて、1人3分の時間内で事業内容の要点、概要などを発表、ポスターセッションへと続く一言アピールを行った。
12名の塾生がビジネスプランを1枚にまとめたポスターの前に立ち、来場者の方々に向けて個別にプレゼンテーションするポスターセッションが行われた。
塾生は、来場者からの質問に個別に答えるとともに、アドバイスにも耳を傾け、ビジネスプランに対しての反応や手ごたえを感じていた。
たなべ未来創造塾長の真砂市長から塾生一人ひとりに修了証が授与された。
座談会に先立ち、話題提供として、鍋屋企画員から1期生のその後の取組を紹介するとともに、1期生とコラボして生まれた「摘果みかんのプロジェクト」が高校生ビジネスプラングランプリで全国ベスト20に選ばれたことを説明した後、神島高校生徒からビジネスプランの発表があった。
次に、修了生など異業種による中間支援組織としてLLP TETAUが創設されたことを説明し、TETAUの丸山代表からその成果について紹介があった。
座談会では、「田辺の未来を創る力とは」をテーマに、まず12名の塾生からたなべ未来創造塾に参加した感想や今後の抱負が述べられ、その後、池田副市長、鈴木理事・副学長、三好所長から講評を頂くとともに、連携機関や協力機関、後援機関、ご来場の皆さまからコメントを頂き、修了式を終えた。
これまでビジネスを考えるにあたり、孤独を感じていたのが楽になった。話しをする場があったらアイデアが次々と出てきて、仲間と考えることはすごいと思った。
講義を聞きながら、自分の仕事にどう生かせるかを考えていた。これまで、深く自分の仕事について考えることがなく、自分の仕事が地域にどう役立つのかを考えることもなかったので、良いきっかけとなった。
講師の先生や塾生の皆さんと話をする中で大きく刺激を受けて、普段考えることのなかったことを考える良いきっかけとなった。
新しい事業を考える良い機会となった。同期だけでなく、1期生ともつながれて、新しいプロジェクトも近々はじまる。今後の事業について発展させる機会をもらえて本当に感謝している。
10回目までは金岡先生が話している意味がわからなかった。それが11回目以降、自分のことに置き換えて考えることでやっと理解でき、これまで金岡先生は実は答えしか言っていなかったということがわかった。」
個人事業のため、自宅が仕事場だったこともあり、他の企業や人とのつながりが少なかったが、この場で異業種の人とつながることができた。田辺で仕事をするにあたって、人とのつながりは必要不可欠だと実感した。
講義を通じて地域とつながるということを学んだということが第一にある。一方で、自分で事業をするときに同世代もワイワイとつながっていないと地域の魅力は外に伝わらないと感じた。
8か月の凝縮した期間の中で、人生の中でも貴重な体験ができた。苦楽を共にする、そこで得た仲間たちは今までの人生、これからの人生で大きな存在になっていくと思う。
たまたま働いていたパン屋が閉店となり、そこから自分事として考えるようになった。当初は、他県から仕事の誘いがあり、田辺を出ていくつもりだったが、塾があったおかげで、田辺に残ることを決意し、店もオープンできた。塾が本当に楽しくて、終わるのがさみしい。
ランチ営業があったため、遅れて参加することが多かったが、遅れてきても勉強になる講義ばかり。特に外国人がこんなにも田辺に来ていることを知らなかったが、データで見ることでチャンスと感じることができた。
講義がはじまった当初は、全く意味がわからなかったが、回を重ねるごとに理解が深まった。私は移住者であるが、これほどサポートしていただいて、いいところに引っ越しできたと思う。
44年生きてきた中で、この8か月間は本当に楽しかった。田辺市にはこんなにも専門家、プロがいるのだと知った。講義を通じて1年前は全く想像していなかった今の自分がいる。成長していると実感できる今がすごく楽しい。
合併10年を迎える際、次の10年をどうするかという中で、地域経済につなげることが重要で、その先行事例となるいくつかのビジネスモデルを作りたい。そのため、ニーズやシーズがわかり、様々な情報を持ち、なおかつ外の視点を持つ専門家が必要と考え、探していたところ、金岡先生に巡り合った。
始まる前の2年の研究期間、創設して2期を終え、「こういうことがやりたかったのだ」と実感している。形となりつつあることが大変うれしく思う。さらに続けていきたいし、1期生、2期生には新たなビジネスを是非成功させていただきたい。 大型プロジェクトなどを通じて、皆さんが活躍できるステージはできたと思うので、あとは存分に活躍していただきたい。
地元私立高校の生徒は実は富山大にはあまり入学せず、県外に出て行ってしまうことが多い。そのため、高校生の段階から地域課題を知り、自分たちがその課題解決に何かできないか、自分たちで課題を発見するという教育が非常に大切だと思っている。
富山大では、他の自治体との結びつきを持ち、取組を一緒に進める中で、信頼関係が生まれはじめており、「信頼の循環」を創ることで、愛される大学、頼られる大学にしていきたいという思いで取り組んできたが、それができつつあり、さらにそれをつなげていきたい。
皆さんも、新たな課題が出てくると思うが、どんどん挑戦し、「信頼の循環」をつなげ、活動を広げていっていただきたい。
かつての金融行政はバブル期の不良債権をいかに処理するかが課題であったため、厳しい検査・監督が行われてきたが、不良債権処理の目途が立ち、金融行政の目線は、必要なところに必要な資金を貸しているかという、金融仲介機能をチェックするものにシフトしてきている。すなわち現在は、企業が掲げた事業・プランを金融機関がしっかり理解し、融資を行っているか、また良い事例があれば評価しようというスタンスとなっている。
このことから、財務事務所では、金融機関が地域課題の解決につながる事業に対して、しっかり融資している事例を積み上げて、日本全国に紹介していくという取組みも行っている。
今日、皆さんが発表したプランについて、実現し、継続し、収益をあげていくためには、今後も見直しを行っていく必要がある部分も出てくるかと思う。そのため、引き続き、地域の金融機関や商工団体とよく相談して、地域の発展のために尽力していただくとともに、金融機関におかれては、しっかりと審査し、金融仲介機能を発揮していただきたい。
今後も、優良事例が出てくれば、中央省庁にも報告をしていきたいと思っている。
地域課題を解決しようという熱い思いが伝わった。
地域を発展させようという皆さんの取組を、できる限り支援していきたい。
神島高校のビジネスプランは全国約3,200件の応募の中からベスト20という評価。
評価されたのは、地域の人を巻き込んで高校生のプランを越え、地域のプランとなっていることだったと思う。引き続き、神島高校を応援することで、田辺を盛り上げていきたい。
レベルが高いというのが正直な感想。地域を何とかしたいという思いが込もったいいプランだと感じた。
商売が始まると売り上げを気にしたりすることで元々の気持ちを忘れてしまいがちだが、今の気持ちを大切にして、もっと事業を発展させてもらいたい。
12名のプレゼンを聞いて感動した。開講式の際は不安そうだったが、今日は自信に満ち溢れている。講義を通じて、チャンスはどこにでもあるということを掘り下げて考えていることを痛感した。
金融機関として、今後も応援していきたい。どのように実践していくのか期待している。
一番すごいなと感じたのがアイデア。田辺市を盛り上げていきたいという熱意を感じた。プランの実践に向け、手助けができればと思っている。
魚津市でもこうした取組を行っているが、共通して言えることは塾生同士が仲良くなり、異業種の中での連携が生まれるということ。今後1期生、2期生がつながることでさらに新しいアイデアが生まれると感じた。
魚津三太郎塾から派生した取組として2つの事例を紹介したい。1つは、私立高校の教頭先生が塾生となったことで、将来、地域を担う人を育てる高校になるため、カリキュラムを改善し、人材育成に取り組んでいること。2つ目は、NEXCO中日本と富山大が連携して、魚津市のサービスエリアを活用したプロジェクトが進行していること。
今後も田辺市と魚津市でお互いに刺激し合いながら取組んでいければ。
高岡では、先日、修了式が終わったばかり。3期目から富山財務事務所と連携することで金融機関から塾生を送り込んでくれるようになり、ビジネスの新しいコンテンツとして捉えていただけるようになった。
また、これまでは高岡市だけで取り組んできたが、今年度から周辺自治体とともに広域で取り組むこととした。当初は、エリアが広くなることで地域課題を共有できるか懸念していたが、受講生の皆さんは、私たちが想像もしていない捉え方をしていた。
たなべ未来創造塾は、明るい雰囲気で開催されている。来年度は、私どももこのような明るい雰囲気になるように改善していきたい。
熊野米プロジェクトは、10年前、一人で立ち上げ、孤独を感じていた。このように塾で仲間がつくれてうらやましいと思う。講義では講師をさせていただいたが、皆さんのことは同志だと思っている。実際に1期生の堀くんと日本酒を作ったりしているし、2期生とも植樹を通じてコラボする予定。
皆さんの姿はかっこいいと思う。その姿を見た若者、高校生もそう感じて、将来、田辺に帰ってきたいと思っていただければ。みんなで夢を語り合って、それぞれの夢を加速させていただきたいと思う。
商品開発の一環として、様々なことに取り組んできたが、その中で、地域の方と関わる機会も増えてきた。こうした中、昨年度、たなべ未来創造塾でビジネスプランを発表させていただくこととなり、その時の縁で1期生の岡本さんと連携することができた。園地実習などもしながら、地域の方に事業に関わっていただきながら取り組んでいる。
2期生の皆さんも、もし機会があれば生徒の前で語っていただきたいと思う。
実際に地域のために活動している人と高校生が触れ合うことはとても刺激になり、将来の財産になる。この地域では、高校を卒業して都会に出ていく学生が多いが、縛り付けるのではなく、外を見ることも大切。そして、どこかのタイミングで帰ってきてくれればと思う。
淺賀さんのパン屋さんがオープンし、高校生が店の前で何人もいる光景を見て感動した。
今日がスタート。焦ることなく、ゆっくり試しながら事業を進めていってほしい。
皆さんの発表を聞いて、やる気とパワーを頂いた。
池田副市長 |
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皆さんの熱意が大変うれしく思う。関係各所、各位の皆さまの力で盛り上がってきている。塾生の皆さんには金融機関、商工団体と十分に話し合ったうえで、プラン実行に取り組んでいただきたい。