たなべ未来創造塾
未来デザイン

事業レポートReport

たなべ未来創造塾 5日目 「津屋崎ブランチの取組を通じて」

2016年9月10日
日時 :平成28年9月10日(土)14:00~17:00
会場 :田辺市役所 3階 第一会議室

福岡県福津市津屋崎を拠点に活動している「津屋崎ブランチ」代表、まちづくりファシリテーターの山口覚氏を招き、地域づくりや新たなビジネスの考え方、津屋崎ブランチの取組を学んだ。

講義 津屋崎ブランチの取組を通じて

講師 :津屋崎ブランチLLP/Local&Desigin代表取締役 
 まちづくりファシリテーター 山口 覚 氏
たなべ未来創造塾 5日目 「津屋崎ブランチの取組を通じて」

会場に入ると、椅子だけが円を描くように丸く置かれ、スピーカーからは軽快なジャズが流れている。
そして、ホワイトボードには、「ようこそ、たなべ未来創造塾へ」と書かれたウエルカムボードが。
 いつもと異なる会場の雰囲気に、何か新しいことが起きる。そう予感させる中で、5日目の講義が始まった。
 山口氏のレクチャーを聞いたあとに、グループ毎に感じたことを話し合う。また、各自が大きな紙が置かれたテーブルに気になったことをペンで書きこむことで、塾生同士が何を感じたか共有するスタイルで進められた。

 山口氏は、まず、常識を疑うことが大切であるとし、人口が増加していた時代の20世紀型価値観は今や通用せず、今後ますます人口減少が進む中、これまでのビジネスモデルは使えなくなりつつあり、将来は今ある仕事の約半数がなくなると言われている。しかし、その反面、これまで見たことのない仕事が必要とされるはずであり、そのためには、「常識」というタガを外さなければならない。様々な事例を挙げながら、これまで常識とされていたことが実はそうではないことを示し、新しい時代の新しい指標は自分たちで創るべきだと説いた。
そのうえで、最も大切にしていることは話し合うことであるとし、それは、討論ではなく、「対話」であると。討論は得てして論破に繋がりやすく、それでは新しいことは生まれない。ホールシステムアプローチという手法を用いながら、お互いを尊重する「対話」を通じてベクトルを共有していくことが重要である話した。
 また、新たなビジネスを起こすためには、これまでの思考回路を変え、発明家的な生き方が重要であるとし、マーケティング調査では出てこない「潜在的」な欲求を可視化させること、ビジネスプランを立てる際には「たった一人を喜ばせる」という考え方で、具体的なターゲットを頭の中に思い浮かべることで、より具体的なアイデアが出てきやすいとした。
 こうした考え方を話したうえで、「津屋崎ブランチ」の事例へと進んでいく。ただ単に事例を聞くだけでなく、なぜ、そういう取組が生み出されたのか、そのいきさつややり方、発明家的な視点を重点的に聞く。そうすることで、ここでしかできない新しいビジネスのヒントが湧き出てくる。
 最後に、山口氏は「津屋崎ブランチ」ではどんな地域を作りたいのかをまず共有することで、それに共感する人たちが集まっていると話し、田辺市においてもいろんな人と話し合うことが価値を高めていくんだと信じて5~10年という中長期的な視点でチャレンジするつもりで新たな一歩を踏み出してほしいと話し、本日の講義を終えた。