たなべ未来創造塾
未来デザイン

事業レポートReport

たなべ未来創造塾 8日目 「地域活性化論②」

2016年11月5日
日時 :平成28年11月5日(土)14:00~17:00
会場 :たなべる 2階 大会議室

これまでの講義の復習、舟橋村の取組事例などを通じて、地域課題の解決とビジネスの両立について、知識を深めた。

講義 「地域活性化論②~これまでの講義の復習、新たな地域づくり、
                      ケーススタディ(富山県舟橋村)~」

講師 :富山大学地域連携戦略室長 金岡省吾 教授
講義 「秋津野ガルテンの挑戦」

まず、これまでの講義の復習として、「魚津三太郎塾」「たかおか共創ビジネス研究所」の取組と、そこで生まれた数々のビジネスプランについて説明した。

「魚津三太郎塾」では『水循環』をテーマに、現在5期目を迎え、これまでの提案事業の実行率は約57%という大きな実績を挙げている。

また、これまで約50名もの塾生を輩出、地域活性化に向けた機運が高まっているとし、修了生が中心となって「NPO法人三太郎倶楽部」を設立、ギフトカタログの制作・販売といった取組に広がりを見せていることも紹介した。

講演会や創業セミナーなどの取組は全国各地でみられるが、持続可能な地域づくりに向け、地域課題の解決や地域資源を活用したビジネス(CSV・ソーシャルビジネス)を生み出していくためには、これだけでは不十分であり、魚津市では、「魚津三太郎塾」でのコンセプト作りを通じて意識改革を図り、「NPO法人三太郎倶楽部」で個別にブラッシュアップしていく仕組みが大きな強みになっているとした。

一方、「たかおか共創ビジネス研究所」では、地域課題の解決という視点でのビジネスが多く生まれているとし、特に人口減少・少子高齢化といった視点は、田辺市の地域課題においても根っことなる部分であり、そこにビジネスチャンスがあるとした。

次に、これまでは「全国総合開発計画」など、国土の均衡ある発展をめざし、国が主導となってインフラ整備などが行われてきたが、人口減少社会を迎え、新たな地域づくりへの転換を迎えているとし、「国土形成計画」では、持続可能な地域づくりをめざし、開発型ではない、地域再生・都市リノベーションといった視点が大きく記されているとした。

こうした状況の中、大手住宅メーカーにおいて地域課題を解決するためにビジネスとして子育て世帯向けの住宅開発に着手している現状とコミュニティを活用したその仕組みについての事例を紹介し、地域課題の解決とビジネスの両立が、これからの企業経営にとって重要な視点になっていることを説明した。

また、富山県舟橋村では、公共投資がトリガーとなり、民間の動きが活発になったことで、住宅開発が進み、子育て世帯を中心に人口増加が進んでいる事例を紹介した。

しかし、当初は周辺自治体よりも地価が安かったことで進んでいた住宅開発が、近年、それが逆転したことで、住宅開発が大きく鈍化しており、将来的には高齢化が進むであろうことが明らかとなった。

そのため、舟橋村では、産学官金が連携した子育て宅地開発に着手。高い地価であっても安心して子育てできる環境・仕組みを作ることで、子育て世帯を誘導するプロジェクトが進行しており、現在では、60人を超えるメンバーが集結し、協議が続けられている事例を紹介した。

こうした様々な事例を紹介しながら、地域課題の解決とビジネスを両立させることが、雇用を創出し、地域経済を活性化、ひいては人口減少の歯止めに繋がることを示し、8日目の講義を終えた。